第32回は6月18日午後6時半より,「カポBAR@まるたまスクエア」で開催されました。前回のニーチェのことなど思い出しながら話し始めた。たまたま5月末に起きた登戸の事件の話になり,Tさんがテレビの報道を見て「死ぬなら自分だけで死ね」とつい口走ってしまったが,後でそんなことを口走った自分の考えの浅さを感じてしまったと言った。口に出す,出さないは別にして,Tさんのような反応はジャム参加者のほとんどが同じものだったようだ。しかし相手がどんな人であれ,「死ね」と言っていいのかどうか。昼のバラエティ番組では,ある落語家の同様な発言が問題になっていたこともあり,自殺へ向かう心境にある人には,自殺へと突き落とすような発言になってしまうというマスコミでの批判も確認した。この場は「哲学」ジャムなので,自殺に関する哲学的な考察としてカントを紹介した。自殺の禁止を人間の普遍的な義務とするカントは,他者に対しても人格として何らかの手段ではなく目的をみなさねばならないから,当然他者に「死ね」とは言えない。こんなことは誰でも知っているようなことだが,カントの凄さはこの義務を経験的な根拠から導き出していないということだ。つまり何ら経験的実質を含まない,理性のア・プリオリな形式的原理からこのような義務の概念を導き出しているということだ。この辺りの詳しいことは「講義」になってしまうのでジャムでは話さなかった。前回のニーチェもそうだったが,哲学の思考は必ず読者の考え方・生き方を問うことになる。またそうならないと読書する意味もない。ジャムで話されたことも同じであって,終わった後で自分一人になったときにどう考えるかが大事だと思う。
他者に向かって何かを言うときに自分にそれを言う資格があるかと問うことは必要なことではないか。その問う姿勢は「恥らい」あるいは「謙虚」という形で他者に感じ取られるもの,伝わるものだと思う。
次回は7月23日(火)の予定です。
0 件のコメント:
コメントを投稿