第28回は2月19日(火)午後6時半から「カポBAR@まるたまスクエア」で開催されました。今回は主宰者を含めて6名の参加がありました。以下その内容を報告します。
いつものように雑談から始まった。ビゼー『カルメン』の新演出で衣装などは現代だがタバコ工場は変えられない。禁煙の圧力がここまで広まった時代にわざわざ現代風の演出をする意味があるのかというKSさんの意見。オペラの新演出はワーグナーやプッチーニでも行われるが,旧演出は作品の作られた時代を反映してもいる。私としてはかつてのヴィーラント・ワーグナー演出の象徴的な舞台が懐かしかったりする(もちろん生の舞台は見たことがない)。映画『ボヘミアン・ラプソディー』が流行っている。今なぜというところはわからないが,クィーンファンには堪らないようだ。私はクィーンファンとは言えないが,ラストのライヴエイドの場面は圧巻だった。さりげなくプッチーニ『トゥーランドット』の「リューのアリア」が流れていた場面があり,よく作り込まれた映画と感じた。
話のつながりは忘れたが,自閉症の磁気治療の話になり,本人にとって治ることは良いことなのかという疑問がMYさんから出された。自閉症によって自分の安定した世界を守っていた人間が,治療によって外の世界を感じ取れるようになるにつれ,感情的に不安定な状態になってしまうと言う。それは本人にとっていいことなのか,悪いことなのか。iPS細胞による再生医療も始まっているが,記憶というものもいずれ衰えなくなのだろうか。しかしその場合,思い出したくないことも保持されてしまうと困る。人間には忘れることも重要だ。
テレビで放送されたマルクス・ガブリエルの哲学とはどんな哲学なのかという質問があった。「世界は存在しない」とはどういうことか。この主張は正確には「世界は存在しないという根本命題は,そのほかすべてのものは存在するということを含む」(『なぜ世界は存在しないのか』)となっている。テレビは見たが,彼の哲学はほとんど知らないので,世界というものの理解もいろいろあり,ニュートンの物理的普遍空間やバークリ―の観念論的世界などを紹介した。
他にトランプのメキシコ国境の壁の話になり,MSさんがある程度共感するところがあると言う。外国人がたくさん入って来ることへの不安があるらしい。MYさんはそれはもう現実的な流れとなっていて戻ることはできないと言う。話はそこで終わってしまったが,後でMSさんの不安をもう少し掘り下げてみたらよかったかも知れないと考えた。そこには国家・民族という概念がいまやネットによって溶融し,さらに自己と他者の境界も曖昧になって来ているという事態があるかも知れないからだ。これは今後の話題としても良いだろう。
以上第28回の報告とします。次回は3月19日(火)の予定です。